今日の本

『ハッピー☆アイスクリーム』加藤千恵


私はこの本を2度買ったことがある。とても好きで1冊目は友達にあげてしまった。2冊目は卒業式の数日前に高校生が終わることに焦燥を感じて買ったのだった。高校生じゃなくなればこの本に共感できる私はいなくなると思っていた。


加藤千恵さんが高校生の頃に詠んだ歌とあって高校生だった頃の私の中にするする入ってきた。

あの頃は高校生じゃなくなったら共感できなくなることを怖がっていた。


加藤千恵さんの本は何冊か読んだことがあるが、この方は歌を絡ませて小説を書くことがとても上手だと思う。両方が溶け合って短歌が浮くことなく収まっていてとても好きだ。


さて、高校生が終われば『ハッピー☆アイスクリーム』を卒業すると思っていた私は今日この本を読もうとしている。

昨日ふと思い出した歌があった。誰の短歌だったのだろうと考えると加藤千恵さんの『ハッピー☆アイスクリーム』に収められている歌だった。

あの頃の感性は死んでいなかったしあの歌は私の中で生きていた。

そう思うと嬉しくて本棚から出す本はもう決まっていた。


あの頃の私とハッピーアイスクリームしてこようと思う。